指導者の品格

総理大臣が、外国の賓客の前で、政治は機を読むことだとのうんちくを吐いたとの報道がありました。なるほどと思います。

 大衆に取り入り、不利ことは臆面もなくひたすら隠し、折あらば手柄を喧伝し、中央銀行を用いて株価を演出する。マスコミに脅しをかけ、公務員人事を握って役人を支配する。一方で「法の支配」を説きつつ、自らは憲法を侵して恥じない。選挙に勝ち、してやったりと自信を深めているのでしょう。

 しかし、残念ながら、今日までの言動、その思想、政治家としてのふるまいを見るとき、指導者としての品格をいちじるしく欠いていると申し上げざるを得ません。人間の尊厳、歴史に学ぶ謙虚さ、自分の言動への誠実、真理への畏敬、民主主義の本義の尊重、そのどれも持ち合わせているとは思えません。ご本人は打って出た選挙の勝利で、巻き返しの風を捉えたとお思いだと思いますが、遅かれ早かれその実を刈り取ることになるでしょう。人類の歴史がそれを示しています。