試練の時代

昭和17年6月発生した、国家によるホーリネス系教会牧師の一斉検挙とそれに続く教会解散の弾圧においては、「再臨のキリストと天皇陛下とどちらが偉いのか」とか「天皇陛下も罪人なのか」など稚拙な尋問を繰り返し、すでに決められている方向で形ばかりの調書が作成されました。無理矢理に治安維持法、宗教団体法違反の罪状が押し付けられていきました。

 これは、時期は前後しますが、他の一部の宗教団体、大本教、人の道、ほんみち等において同様に行われています。いずれも、強引な拘留、取り調べ(拷問) 、起訴、裁判です。

 「共謀罪法案」が過日衆院法務委員会で、数の力を背景に強行採択されました。今国会で本会議採択が目指されています。思想、信条の引き締めが日常的に行われている国々が少なくない中で、戦後70年、わが国は例外的ともいえる平穏さの中で、自由が保障されてきました。わたしたちもそれを当然と考えていましたが、どこかに甘さがあったのでしょうか。しかし今、事情は変化を始めました。恣意的ともいうべきリーダーによって、過去3回にわたって葬られ続けてきたこの法案が採択されようとしています。これは嘆かわしいことではありますが、ある意味、平穏な社会に甘えてきたわたしたちを目ざます、試練であるかもしれません。(もちろん、多くの国民の声で、この得体のしれない法案が撤回に追い込まれることを願うことに変わりはありません。)。