ライラック

いよいよ4月。春も本番を迎えます。周りの鉢植えの木々も新芽をふくらませています。そのひとつがライラックです。筆者の郷里、長野県では普通にあちこちでその木を見かけましたし、我が家の庭にもあって、毎年美しい緑の葉と、薄紫の花を楽しませてくれました。生育も早く、枝がよく伸びました。

 けれども、当地(横浜)ではあまりよく見かけないような気がします。以前から苗を手に入れたかったのですが、なかなかかないませんでした。それが、去年の早春であったかと思うのですが、たまたま訪れたあるホームセンターの植栽コーナーで見つけ、購入することができました。とてもうれしく思ったものです。

 昨年の初夏、その花を楽しませてくれました。道端のその鉢植えを見つけて、「懐かしい」と喜んで声をかけてくださった北海道出身のご婦人もありました。夏の間、しきりに枝目が出てきましたが、すべて取り除いていました。秋になり葉が散ってからは、つい最近まで芽が固いままなんの変化も見せず、ちょっと心配していました。選定しすぎて弱ってしまったかなと気にかかっていました。しかしここにきて、その芽がふくらみ始めました。ああよかった、というのがいつわらざる感想です。とともに、その芽の間から、花芽がのぞきだした今は、美しい黄緑の葉がでて、薄紫の花が咲くのが楽しみでなりません。あらためて思います。命ってすごいな、と。