神の国の前進

 「人はいつになったらわかるのだろう」~Oh , when will they ever learn ?~もう半世紀も前に流行った反戦フォーク「花はどこへ行った」の一節です。

 テロ、人種間の憎しみ、国家主義の氾濫・・・先週も胸が痛むニュースが続きました。現状だけを見ていると、「行き詰まり」感だけが増幅してきます。

 しかし、福音書は、目に見えない現実をわたしたちに指し示しています。「天の国はからし種に似ている。人がこれを取って畑に蒔けば、どんな種よりも小さいのに、成長するとどの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て枝に巣を作るほどの木になる」(イエスのことば:マタイ福音書13・31、32)。イエスは、どんな暗黒の時代の中にあっても、神の国は完成に向かって確実に進んでいると語られました。

 混乱と憎悪の渦巻く今この時も、神の国は音もなく前進しているのです。全世界に、平和と真の祝福を祈り、そのために励む無数の有名、無名の人々があります。そして、その背後には、正義と愛によって世界を導く創造者なる神の約束があるのです。

 移りゆく目の前の状況だけに目を奪われるのでなく、確かな神の国の前進を忘れないようにしたいものです。