イースター

ディズニーランドが春のテーマに取り上げている「イースター」が、一般にも注目されるようになり、秋のハロウィーンに続いて、こちらも社会現象になるかとマスコミが報じています。

 この手の古い先輩が「クリスマス」でしょう。明治以後、特に第二次大戦後、キリスト降誕を祝うこの祭が、日本の社会に溶け込んできました。

 けれども、イースターもキリスト教世界では古来の祭でありながら、日本で受け入れられてこなかったのには訳があるでしょう。それは、この祭が、キリストの復活という出来事を祝う祭りで、キリスト教国ではないわが国では、さすがにクリスマスほどには受け入れ易くはなかったということが考えられます。キリストの復活、死者の復活という、思いもかけない事柄に、日本人は対応しかねたのではないでしょうか。

 初代教会の伝道者パウロは、当時の教会の発展を記した書「使徒言行録」(新約聖書所収)の中で、領主アグリッパへの弁明の中で「神が死者を復活させてくださるということを、あなたがたはなぜ信じがたいとお考えになるのでしょうか。」(同書 第26章8節)と語っています。そのようにキリストの復活、それはいわゆる教祖伝説として語り伝えられている、といったものでなく、キリスト教の教理の中心として、二千年の歴史の中で事実として信じられ、伝えられてきた事柄です。

                                   ともあれ、このイースター、これからどのように受け入れられ、定着していくでし

                                   ょうか。興味深い所ではあります。