年を重ねる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 年を重ねる

 新しい年を迎えました。皆様の胸の内にはいまどんな思いがおありでしょうか。

 筆者も、60代半ばを迎えております。気分は若い頃と少しも変わっていなつもりなのですが、体調は確実に変化しています。視力の低下、ものわすれ、疲れやすさなどなど・・・。

また、周囲からそれなりに年配者として扱われるようになります。時間は確実に過ぎているということを認めざるを得ません。

 一般に年をとるということは否定的に受け止められることが多いですし、自分も不具合を感じることが多いのですが、そういう面だけでもないように思います。年を重ねることの効用もあります。そのひとつが、人生観の深まりとでもいうような、精神的な面での実りです。いろいろなものごとを、より深く、より多面的に受け止めることができて来るように思います。そしてその効用は、読書の楽しみのひろがりです。もともと読書はきらいではありませんでした。若い頃はよく背伸びして難しい本にかじりついたものですが、不消化でした。今も決して楽勝ではないのですが、それでも、それなりに見当がつくことが多くなりました。以前は、本を読む時間をとることが至難でしたが、最近は心がければ時間も多少なりとも確保できるようになりました。こうしてみると、案外これから実りある読書ができるのかもしれません。楽しみです。その実りをどこまで活用できるかということはありましょうが、活用の有無というよりも、人は生ける限り学ぶ存在だとすれば、学ぶことをもって満足することもできましょう。

 ともあれ、年を重ねることを楽しんでゆきたいと思う者です。