この町の教会

   この町の教会


この地で開拓伝道を始めて18年になりました。

 ゼロからの開拓ですから、筆者も妻も働いて生計を立てつつの伝道をして来ました。結婚式場のチャプレン、レストランの炊事場、

警備員、倉庫での輸入衣料の仕分けなど、なんでもやりました。妻も、工事に絡む遺跡発掘、食材配達、事務などをやってきました。

 そういう中で出来ることと言えば、日曜日ごとの小さな礼拝で聖書を語ること、伝道文書を配布させていただくことだけでした。それで精一杯でした。しかし、不十分ながら、聖書の説教には心を込めてきたつもりです。

 もとより「人集め」が苦手な夫婦のすること、華やかなことは何一つありません。けれども、そうであればあるほど、教会の「いま」は、わたしたち夫婦の手柄でなく、礼拝で語られる聖書の言葉、もっといえば、聖書の神御自身がもたらされたものであると言わざるを得ないものと思います。神は生きておられるかたです。

 伝道開始18年を迎えたこの秋、わたしたちは、従来「伝道所」と自らを呼んできましたが、ここより正式に「教会」としてスタートさせていただくこととなりました。

 聖書の神は、すべての人が御自分を見出し、立ち返ることを切望しておられる、生きた創造者です。このお方を知ってこそ、人は本来の人間として生を享受することができるのです。神はこの町を愛しておられます。この町に住む一人一人を心にかけておられるのです。

このお方を仰ぐ者として、わたしたちは、これからも「この町の教会」となるべく、務めて参りたいと願っています。