愛の国

 昨今、日々のニュースでまたウクライナの名聞くことが多くなっています。利害関係のある諸国を巻き込んで泥沼の様相です。古来、人間の歴史は流血のそれであり、現代においてもすこしも変わってはいないことを思い知らされています。

 二千年前、イエスが生まれ、生きられた時代もやはり、血でつづられた歴史の一ページでした。聖書に記されたイエスの教えは、そのような日々の中で説かれたことを今さらのように思い起こさせられます。

 「隣人を愛せよ」「汝の敵を愛せよ」との教えは、このような人の世の文脈の中では、それ自体、世界を刷新する革命的な指針だと思います。憎しみではなく、愛によって勝つ、それは、人間の存亡のかかるおごそかな誡めだと思わされます。