コーヒーの味わい

 コーヒー豆の値段が上がっていると言われます。アジアの新興国が次第に経済的に豊かになって来て、嗜好品の需要が高まっているとのことです。気候変動も、産地での豆の仕上がりに障害をもたらしているかも知れません。

 お店に行ってみると、けれども、高い豆は高いけれど、比較的リーズナブルなものもあるようです。工夫しながら対応するほかないと言ったところです。

 ところで、いつも思うのですが、銘柄の評価は絶対的なものなんだろうかということです。ブルーマウンテン、キリマンジャロ、トラジャ、コナその他いろいろあって、評価や値段は一定の違い、ランク付けのようなものが一応あるようです。でも、いろいろ試してみると、たしかにより多くの人々から支持されるものそうでないものがありそうなことは分かりますが、実際自分が味わってみると、どんな銘柄もそれぞれに独特の味わいがあり、それは上下の問題ではなく、個性の違いの問題だと思うようになります。それに、同じ銘柄でも、淹れる時の条件(筆者はほぼドリップで淹れるのですが)つまり、豆の煎り具合、挽き具合、粉の量、湯の温度、水の質、飲む者の体調その他によって仕上がりはずいぶん違うのです。どんなに高価な銘柄でも、淹れ方によってはとても飲めない仕上がりになる場合もあります。こうみて来ると、銘柄の違いなどあんまり意味がないと考えるようになります。そうです!「みんな違って、みんないい」という世界だという感じですね。