日本の孤立を危惧する

            セミの羽化ラッシュ
            セミの羽化ラッシュ

 安部総理大臣は、諸国をまめに訪問しながら、「自由と民主主義を共有する」国として協力関係を築くのだと説いています。格好イイのではあります、が、その説く価値観をご本人がどれほど理解しているのか、疑問です。「自由と民主主義」は確かに結構なのですが、日本において、本当に自由は尊重されているのでしょうか。教育の自由は、信教の自由は保障されているのでしょうか。一定の価値観が、声高に語られ、異なる様々な声がかき消されようとしてはいないでしょうか。国の過去を美化し、先の戦争を過ちとは認めようとない「歴史観」が、総理の衣の下から見えているのに、また、それゆえに、近隣諸国からも、総理が「同盟国」と度々口にするアメリカからも急速に信頼を失いつつあるのに、です。日本は、国際社会の中で、裸の王様になりかねないと危惧せざるをえません。

 こうした、日本と世界での評価のずれが大きくなっていくと、いつしか孤立してゆくことになるのではないでしょうか。これは、国益にとっても限りない脅威です。また、不幸な結果を招きかねません。

 たしかに、国の形を見なおさなければならない大切な時期を迎えていることは事実でしょう。しかし、独善的な、誤った現状認識のもとに進められるならば、取り返しのつかない結果を招くことでしょう。戦後で最も、国民力がためされる時を迎えているといわねばならないと思います。