身体で学ぶ

    こみすじチョウ
    こみすじチョウ

 例年より早く梅雨に入りました。空梅雨気味のようですが、緑の深まるこの頃になると、子どものころの、農繁休業(お手伝い休み)を思い出します。農機具もそれほど発達していなかったその頃、五月の末から六月上旬は田植え、養蚕、麦刈が重なり、農家は大忙しでした。学校は一週間ほど休みとなり、子どもたちは農作業を手伝ったものです。筆者は農家であった親戚に泊りこみ、なれない田畑の仕事を手伝いました。泥の田んぼに入ること、桑の枝の束をかつぐこと、かゆさに悩まされながら麦を刈ることなど子どもには辛く、大変な作業でした。でも、今考えると、それがどんなに貴重な学習であったことでしょうか。これを通して、知らず知らず、体を動かして働くことの大切さ、良い意味での自信、自然の素晴らしさなどを学んだのです。それは、本から学んだ頭の知識とはまったく異なるものでした。

 ひるがえって、今日の子どもたちに、たくさんの実地の体験をさせてあげたいものです。