アナログの時計

                     緑色の時間
                     緑色の時間

 過日、目覚めて腕時計を見たところ、針が止まっていることに気づきました。電池切れのようです。前回取り替えてからどのくらい経ったでしょうか。いつも時間が気になる方なので、腕時計は重宝しています。

 すぐ時計屋さんに行けなかったので、何日かの間は携帯電話の時刻表示だけを頼りにしていたのですが、とても不便でした。腕時計は腕を目の前にかざせば時間が分かり、携帯はポケットから取り出して、蓋を開かなければ読み取れない、という動作上の違いもありましょう。しかし、デジタルの時刻表示は、まさに時刻という「点」だけを表示し、アナログの時計は、文字盤の上を、時針、分針、秒針が移動することで、今の時点が今日という時の流れの中でどこにあるのか、今自分のしている動作が、過去どれだけ継続され、これからどれほど続くのかという、見通しを与えてくれます。それは、文字通り、「時」の「間(ま)」を表示してくれます。

 電池を交換すると、再びわが時計は動きだしました。時々、腕の時計を確認しては、その尊さ、有難さをあらためて感じています。アナログにはアナログの、捨てがたい良さがあるものだ、とつくづく思わされています。