花の命も大切に

 4月を迎え、木々の芽生えが美しい季節となりました。だれもが心待ちにした春本番ですが、植物好きにはまた格別、心躍る季節です。草木の新芽は、日に日に目覚ましい成長を見せます。生命に満ちたその生育ぶりに、すっかりうれしくなります。

 花屋さんの店先は、所狭しときれいな花たちが並び、それを求める多くの人でにぎわいます。

 ところで、ちょっとへそまがりな筆者は、コンテナ単位で並べられた色とりどりの花たちを見ると、複雑な思いをいだきます。それは、この花たちが消耗品と考えられてはいないだろうか、使い捨てされないだろうかということです。そんなに神経質にならなくてもいいのかもしれません。一シーズン、目を楽しませてくれればそれでいいのかもしれません。ただ、あたりまえのように、花の命が使い捨てされていくことに、ちょっとだけ心が痛むのです。

 そんなわけで、すべての花が好きなのですが、筆者は「その手」の品物は余り買いません。なるべく宿根で、大切にすれば来季また楽しませてくれるような種類に目が行きます。花を楽しむということでは何も変わらないのですが、花の命も、命は命だというわけです。これも、かわったこだわりかも知れませんが、こういうこだわりもあっていのかな、などと考えています。