春への準備

     芽を付けたボケの木
     芽を付けたボケの木

 冬至を十日過ぎ、今日は大みそか。明日は正月を迎えます。冬はこれからが本番ですが、日差しは少しずつ濃くなっていきます。この時期、いつも驚かされるのは、植物の春への備えです。多くの落葉樹が枯れ葉をほぼ散らし終わったのはついこの間です。しかし、寒さも加わるこの時期、少なくない植物がすでに春への準備をしています。先日、わが家の鉢植えのボケの木を見ました。先日来の真冬並みの冷え込みです。どうかな、と注意して観察すると、見つけました。小さな枝のあちこちに、紅い小さな芽がついています。春が近づくと、これらの芽はふくらんで、花となるはずです。この寒さの中で、ちゃんと春への準備を始めているのですね。

 話は違いますが、筆者の郷里の長野県伊那地方では、農家などでは、正月にフキノトウを採ってきて、てんぷらやふきんとう味噌(と地元では呼んでいます)にして供します。日当たりのよい土手では、暮れのうちにもう頭を出しているのでしょう。驚きです。

 冬に入って間もなく、多くの植物はもう春に向けて準備しています。自然の循環、生命の摂理はすばらしいですね。心が躍ります。これから春までには、厳しい冷え込みの日々が訪れます。けれども、彼らはじっと耐えながら、生命力を蓄え、春になると萌え出て、目を楽しませてくれることでしょう。