子らの笑い声

        水鳥の浮かぶ大池
        水鳥の浮かぶ大池

 夕方、近くの団地の公園のそばを散歩していました。すると、もう少し暗くなってきた公園に、子供たちの遊ぶ声が響いていました。団地のこどもたちでしょう。小学生が数人、甲高い声を上げながら追いかけっこをしています。折からの強風のなかでしたが、久しぶりに晴れ上がった空のもと、はしゃいでいるようでした。

 彼らの様子を見ていて、何十年も前になった、自分のこども時代が懐かしく思い出されました。そのころは、わたしたちこどもは、暗くなるまで外で遊んだものでした。しかし、最近は、そういう風景をあまり見かけなくなりました。こどもたちも、塾や習い事で忙しい生活を余儀なくされています。時間のある時は、家のなかでゲーム機に熱中してるのでしょうか。これは、都会だけではありません。自然に恵まれた田舎でも、自然のなかで遊ぶこどもたちの姿は見かけなくなっているのです。

 ともあれ、その夕方は、久しぶりに、気ままに遊ぶ子らの、くったくのない声を耳にして、ただそれだけで、なんだかうれしくなりました。こどもが、ごともらしく、うんと遊べる世のなかでありますように。