霧の中で

    ヤマハッカ(大池公園)
    ヤマハッカ(大池公園)

 アメリカのハイウェイで、濃霧のために車100台を巻き込んだ大事故が発生したと伝えられました。霧の恐ろしさを思います。霧といえば、もう二十年ほど前でしょうか、筆者が車で箱根の峠を走った時のことを思い出します。夕刻だったと思いますが、いつしかあたりは濃い霧につつまれていました。視界は極端に悪くなり、前の車の尾灯もよく見えません。もちろん、路面も定かでありません。フォグランプをつけて、道路中央の白線をかろうじて確認しながら、走ったことでした。とても不安でした。

 人生にも、信仰の歩みにも、暗い霧の中を通されることがあります。この暗さがどこからくるのか、その原因を考えても心当たりがありません。自分に落ち度があるかとわが身を振り返ったり、他に原因があるかと周囲を見回してもこれというものが見あたりません。

 このような時は、いたずらにあせらず、今あるがままに歩き続けるのが大切だと思わされます。くさらず、黙々と歩き続けることです。やがてきっと、霧も晴れ、明るい日差しがもどってくることでしょう。