深まる秋と植物たち

オトコエシ(大池公園の野草)
オトコエシ(大池公園の野草)

 厳しい暑さが長く続きましたが、ようやく涼しい日々を迎えております。晴れた日など、日中やや暑さを感じることもありますが、夕方には冷え込んでくるようになりました。いやがうえにも、季節の移り変わりを感じさせられます。

 陽の光が少しずつ薄くなっていくこの時期、暑い夏とは明らかに様子を変えていくものの一つが、植物でしょう。気温が下がるにつれ、土の乾き具合が明らかに違ってきます。また、花や葉のいきおいはみるみる薄れて来ます。こうなると、天然の草木はそれぞれに自分で調整して、晩秋から冬への備えを始めますが、難しいのは人の手で育てられているものです。庭木や鉢植えの植物は、自然に生えているものとことなり、大なり小なり、人の手によって管理されているわけで、気温や湿度、日光などの変化に応じる対応を人間に依存します。そんなわけで、季節変化に応じた世話を怠ると、弱ったり、枯れたりすることになりかねません。もっとも、これはこの時期だけでなく、一年中そうなのですが。

 多くの場合、夏は肥料や水など、どんどんやっても受け付けてくれるものですが、

そして、旺盛な成長を見せてくれるのですが、涼しくなってくると事情はかわってきます。様子を見ながら、施肥や水やりは調節しないといけないことになります。

 よく、「水やり十年」といって、植物の育成で一人前になるには十年かかると言いますが、季節の変わり目の今は、不慣れな筆者には不安な時期です。現に、ある鉢植えは、夏の終わりごろから元気を失い始めています。回復を願いながら、気を使っている所です。それにつけて、この一年、面倒を見てきた植物たちの日々を思い起こさせられます。元気で過ごしたものもあれば、すっかり元気をなくしてしまって、やっといきているもの、努力の甲斐なく、理由もわからぬままに枯れさせてしまったものも思い起こされます。植物とは言え、彼らを思い起こすと心が痛みます。まだまだ未熟な自分を思い知らされます。

 しかし、秋に咲く花々もあります。秋独特のたたずまいを見せるものもあります。そんな命の営みにいやされ、励まされて、育てている草木を微力ながら大切に世話してやらねばと思わされる今日この頃です。