虫の声

食べられたバラの蕾(上部)と犯人!
食べられたバラの蕾(上部)と犯人!

今年の夏、蝉の発生はまずまずだったように思います。つい先日まで、元気な鳴き声が聞こえていました。昨年の夏はさっぱりでした。ほとんど声が聞かれず、さびしく思ったのを記憶しています。どういう回り合わせかわかりませんが、年によってずいぶん違うものですね。ことしは昼も夜も結構元気に(やかまし!?)鳴いていました。それに後半はヒグラシの声も混じってなかなかの風情でした。それが、ここにきてその声もすっかり遠慮がちになりました。

 替わって登場しているのが秋の虫の声です。いつの間にか、ずいぶんにぎやかになっています。いつまでも暑い暑いと人間はぼやいておりますが、季節は確実に秋に向かっているということでしょう。

 耳を澄ますと、日中からあちこちで鳴いているのがわかります。夕方から夜にかけては、もう大合奏といっても過言ではありません。蝉がロックバンドとすれば、秋の虫たちのそれはストリングスといえましょう。その声を聞くとほっとします。以前ラジオで、虫の声を聞き分けること、虫の声に風情を感じることができるのは日本人の特技だと聞いたことがあります。虫の声にこんなにいやされるのは、自分が日本人だからなのかと考えながら、耳を傾けています。

 あわただしく日々を過ごしておりますが、また、昨今、世相は内外ともに騒々しくなっておりますが、自然の摂理はゆったりと、確実に歩を進めています。ありがたいと思うと同時に、流されず、目覚めた歩みをしたいと願わされます。